不信、それとも病気――?

不信、それとも病気――?

弁護人は接見できるようになりましたが、父とは一切会話が成り立たず、意思疎通ができる状態ではありませんでした。
「このままでは一行も書けない。麻原さんは自分が接見室にいて、目の前に弁護士がいることもわかっていないかもしれない。それか、もしかしたら麻原さんに、弁護士というものに対する、不信感があるのかもしれないんだよなあ」
わたしたちに気を遣うように、先生はおっしゃいました。
このときすでに、先生の心証は「麻原さんは本当に病気ではないか」という方向で、固まりつつあったのだと思います。
しかし父が、「弁護士」という職業に就く方全般に対して、不信感を持っている可能性は確かに否定できませんでした。
その理由は、次回書くことにします。
 

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