子どもに確かめてもらうしか……

子どもに確かめてもらうしか……

それを確かめる有効な手立ては、第三者を面会させることです。
しかも、父との関係が深ければ深いほどいい。
あるいは、先生はいつもわたしたちの心情を思いやってくださるので、ご自身がようやく接見できるようになったことから、今なら子どもたちも接見できるかもしれないと考えて下さったのかもしれません。
ある日、先生からわたしと姉に、
「お父さんと接見したい? 裁判所に接見禁止一時解除を申し立てたら、もしかしたら面会できる可能性がある。もちろん、大丈夫とは言えないけれど。接見禁止解除を申し立ててみようか?」
と聞かれました。
わたしにとって、"生きる"ことそのものが、大変なことでした。
つらいことがあっても、くじけそうになっても、いつか父と会えるだろう、いつか話ができるだろうということだけを希望に、生きてきたようなものです。
目立ちすぎるという理由で裁判の傍聴に行けなかったわたしは、それまで裁判で父の姿を見ることさえ許されませんでした。
姉から聞いた話によると、裁判の傍聴へ行っても、父を取り囲む刑務官たちによって、父の姿はほとんど見えなかったそうです。
それでも、ほんの少しでも父の姿を見られた姉を、うらやましく思っていました。
もし接見ができるようになれば、父の逮捕後はじめて姿を見ることになります。
「是非会いたいです。よろしくお願いします」
と、即座にお願いしていました。
少なくとも判決確定までは父と会えないだろう、とあきらめていたわたしたちにとって、本当にありがたい、奇跡のようなご提案でした。
 

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